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最新更新日:2024年10月05日

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グリストラップの仕組みを覚えてきれいに清掃する方法をお教えします!

目次

きれいなカフェ

あまり耳にすることが無いと思いますが、「グリストラップ」ってご存じですか?

グリストラップとは、飲食店やホテルの厨房、学校の給食センターなどの調理場に設置されているもので、地域の条例によっては法律で設置が義務付けされてることもあります。

飲食店で勤められたことがある方はご存じでしょうし、日々グリストラップの清掃をされているでしょう。

この記事では、グリストラップの基本的なお話と、仕組みや構造、そして効率良くグリストラップの清掃を行う方法について、詳しく解説していきたいと思います。一般家庭には無い物ですが、日々飲食店や調理場で働いている方のためになれば幸いです。

では早速、グリストラップのあれこれについてやっていきましょう!

まずは基礎から!グリストラップとは何?

飲食店の厨房や調理場に設置されているグリストラップは何のためにあるかと言うと、調理中に排水される油汚れや食材のカスなどがそのまま下水へと流れていかないように、一旦せき止めるための装置です。

油汚れや食材のカスをそのまま流すと、地球に悪影響を及ぼすうえ、とても不衛生になってしまいます。

一般の家庭であれば排水ネットを使ったりしてゴミをキャッチしてくれますが、大量調理が基本となる飲食店の厨房や学校給食の調理場などでは、排水ネットでは追いつきません。

グリストラップ

環境保護を目的として、飲食店など業務用の施設では、グリストラップの取り付けは必須となります。

調理中に出る汚れと食材カスをグリストラップの内部で一度分離させることができ、大量に出るゴミを一時的に溜めることが可能となっていますが、かといってそのまま放置するといろいろな弊害が発生します。

油汚れや食材カスなどのゴミは、溜まれば溜まるほど厄介になりますので、適切に対処していきましょう。

グリストラップの基本的な仕組みについて知っていこう!

ちなみにグリストラップとは、グリーストラップとも呼ばれ、英語を直訳すると「油を止める」とも解釈されます。

一般家庭のキッチンであれば、排水トラップを通って、排水マス、そして下水へと流れていきますが、グリストラップは下水に排水されるまでに3つの槽に分けられます。

まずは第一槽。大きなゴミや生ごみが排水される水に含まれているので、網状のバスケットでキャッチします。米粒くらいの残飯などであれば、この第一槽で分けられ、キャッチされなかった細かい汚れは沈殿させます。

次に第2槽。こちらでは、先程流れてきた細かいゴミや汚れの他に、油を分離させる役割があります。ここでは油の性質(油は水に浮く)を利用して、更に細かいゴミと油を分けるためにある槽です。

第2槽には仕切り板があるため、水と油を2つに分けることができ、油がなくなった水が次の槽へと排水されます。

そして最後の第3槽。1槽、2槽で取り切れなかったゴミや油汚れをここでもう一度分離させます。

こうして3槽かけてキレイになった水を下水に排水させることで、排水つまりを防ぐことはもちろん、環境保護ができるのです。

構造についてピンとこない方は、ろ過装置を思い浮かべてみてください。

グリストラップをキレイに清掃する正しい方法は?

グリストラップについて少しずつ分かってきたでしょうか?水と油、そしてゴミを分離してくれるなんて、なんて便利な設備だろうと思ったでしょうか?

確かに下水に流す水はグリストラップのおかげでキレイになりますが、第1槽、2槽、3槽で分けられた油汚れとゴミは勝手に無くなってはくれません。

グリストラップは、定期的にキレイにしておかないといろいろと問題が発生するので、自分でグリストラップをキレイに清掃する正しい方法を身に付けておきましょう。

毎日行うバスケットの清掃について

グリストラップ バスケット

まずは、最もゴミが溜まってしまうバスケットと呼ばれる網状の物についてです。

第1槽にあるため、食材のカスや残飯など、いろいろな物質がここに留まっているため、このバスケットは毎日清掃する必要があります。

バスケットの清掃方法は2つあるので、ご参考ください。

グリストラップ清掃の一般的方法

グリストラップの第1槽にはバスケットが取り付けられており、ここに食材のカスなど臭いの原因にもなるゴミがたくさん溜まります。

バスケットは取っ手を使って取り外すことができるので、持ち上げてから中のゴミを処理しましょう。バスケットをひっくり返せば一気に捨てることができます。網目にゴミが挟まっている場合は、金属たわしなどでこすり落としてください。

グリストラップの種類によっては、バスケットが大きくゴミが溜まっていると重くて持ち上げにくいこともあります。

腰などを痛めることもありますので、バスケット用のネットを利用すると負担を減らすことができるのでお試しください。

グリストラップ専用(バスケット用)ネットを使う方法

グリストラップ専用(バスケット様)のネットは、いわゆるキッチンで使用される排水ネットと同じ原理です。

バスケット用ネットの特徴は、大量に出る食材のカスなどをキャッチしても縦に伸びにくいようにできているため、重くなって伸びないこと。

その特徴によって重いバスケットごと持ち上げなくても、ネットを捨てるだけでゴミをあらかた取り除くことができます。

とは言え、家庭用の排水カゴと同様、ネットを使用してもやはりバスケットは汚れていきます。

バスケット用のネットは毎日交換し、3日に1回くらいはバスケットに挟まった細かい汚れをたわしなどで清掃すると、清潔に保たれるでしょう。

ここで注意しなければいけないのは、ゴミの捨て方。グリストラップ内のゴミは、基本的に産業廃棄物扱いになりますが、バスケットやネットに溜まったゴミは生ごみとして処理することができます。

捨てる際は、水をしっかりと切るようにしましょう。

浮いた油汚れを週に1回は清掃しよう

数字 1 

第1槽の汚れを除去したら、今度は第2槽です。第2槽の汚れのメインは油汚れ。水と油に分離されたら、1週間に1度は油汚れを除去していきましょう。

油汚れはどっしりと重く、一度ではすくい上げることが難しいので何度もやらなければなりません。ひしゃくや油切り用のお玉を使ってコツコツを除去していきましょう。

この重労働を少しでも楽にするためのアイテムがあります。それは油吸着シートです。

使い方は至って簡単。週に一度の清掃を終えた後、第2槽に油吸着シートを被せるだけです。あとは分離された油がシートに吸着するので、1週間経ったら清掃の時に油を吸ったシートを捨てれば完了。

放置するだけで油汚れを除去できるので、ひしゃくなどを使う必要もありません。その分シート代の費用は掛かりますが、中華料理屋や油汚れが多く出る飲食店は、とても楽になると思います。

こういうお店に関しては、油汚れの清掃は週に1度ではなく、3日に1度くらいの頻度にした方が良いでしょう。

油汚れ以外の底に溜まった物質を月1回は清掃しよう

飲食店

第1槽のバスケットでは拾えなかった細かいゴミは、グリストラップの底に沈殿していきます。この底に溜まった細かいゴミや汚泥も、除去していかなければなりません。

底に溜まった汚泥は重たいため、ひしゃくなどでは曲がったり壊れたりすることがあります。グリストラップ専用の清掃道具が、一番効率良くすくい上げることができるのでおススメです。

沈殿物の除去作業は、月に1度くらいで大丈夫ですが、気を付けなければならないのは、作業の順番です。

先に沈殿物の除去作業を行っても、後に油やバスケット内の清掃作業を行うとその時の汚れが再び沈殿してしまいます。

こうなると清掃も二度手間になるので、沈殿物の除去作業はまずバスケットのゴミ処理→油汚れの除去→沈殿物の除去の順番に行うようにしましょう。

グリストラップのトラップ管を2,3か月に一回は清掃しよう

グリストラップにはトラップ管といって、ゴミや油、沈殿物を取り除いてキレイになった水を下水へと流す管があります。

いくらキレイになった水とは言え、微量の汚れや油が含まれるため、放置するとこのトラップ管がつまってしまいます。このグリストラップのトラップ管は第3槽にありますので、2.3ヶ月に1回は清掃するようにしましょう。

5年もしくは10年経ったらグリストラップの蓋を交換しよう

グリストラップ フタ

グリストラップは厨房の足元に設置されている事が多く、鉄製の蓋でカバーされています。この蓋も滑らないように定期的に洗剤などを使って洗うようにしましょう。

蓋は頑丈に作られていますが、それでも劣化はしていくので5年、もしくは10年を目処に交換しましょう。

グリストラップの清掃をしないとどうなるか?

トラブル

グリストラップの掃除は、なかなか重労働です。しかし、この清掃を行わないとどうなると思いますか?清掃を放置すると、次の3つの問題が発生してしまいます。どれもとても嫌なものですよね。

  • 排水管つまりの発生
  • 臭いの発生
  • 害虫・害獣の発生

排水管つまりにつながる

グリストラップの定期清掃を行うとどうなるか、まずやはり排水管つまりの原因になります。第3槽になるトラップ管がつまることで、下水へと水が流れないため汚水がどんどん溜まり溢れてしまうでしょう。

衛生第一の厨房や調理場で、そのような事態に陥るわけにはいけません。営業や調理作業にも影響を及ぼすので、排水管つまりを防ぐために清掃を行いましょう。

悪臭が漂うようになる

これも飲食店では大問題!グリストラップから悪臭が漂うようになっては、どれだけ厨房や調理場をキレイにしていてもダメです。

バスケットに溜まった食材カスなどを放置すると、生臭い腐敗臭がしてきますし、油も独特の臭いを発するでしょう。

どれだけ料理が美味しくても、人は味覚だけで無く、嗅覚でも食事を楽しみますので台無しです。印象も悪くなりますので、グリストラップの清掃は定期的に行う必要があります。

害虫・害獣(ネズミなど)が発生する

誰もが嫌がる黒い虫やネズミなどの害虫が出る飲食店をどう思いますか?それだけで店に入ろうと思えませんし、そんな調理場で作られた食品を食べたいとは誰も思わないでしょう。

飲食店においては致命的な事態になりますので、グリストラップの清掃はもちろん、店内や厨房は隅々キレイに保つようにしましょう。

グリストラップに関するまとめ

キレイな水

グリストラップの清掃がいかに大切か、お分かりいただけましたでしょうか?グリストラップは、油汚れや食材のカスが多く出る場所において、無くてはならないものです。

環境を守るためにも、日々手入れをしなくてはなりません。負担はありますが、グリストラップ専用の洗剤などはホームセンターでも販売されていますので、こちらを利用するのも良いでしょう。

清掃するためのグリストラップ専用の道具も合わせて使ってみてください。

 

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高野祐二

水道修理事業会社
株式会社JUNコーポレーション代表取締役
高野祐二

水道設備の配管工として経験を積んだ後に水道屋本舗で水道緊急修理のスタッフとして長年活躍。 2022年より独立し、新たな水道緊急修理の会社である株式会社JUNコーポレーションの代表取締役に就任。水道修理スタッフの育成に尽力。

保有資格
- ガス可とう管接続工事監督者
- 給水装置工事主任技術者

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