目次
お風呂の蛇口は自分自身で交換できます。本記事ではお風呂の蛇口を交換すべきタイミングや交換時の確認事項、実際の交換の流れなどを詳しく解説しています。
蛇口交換は自分自身で作業したほうが良いのか、それとも業者に依頼したほうが良いのかも解説しているので「これから風呂の蛇口を交換したいと思っている」という方は参考にしてください。
【結論】お風呂の蛇口は自分で交換できるが注意が必要
お風呂の蛇口交換は自分自身でもできます。しかし実際に交換しようとすると、以下のようなリスクがある点には注意しましょう。
- 作業中に水漏れや漏水が起こる
- 新しく用意した蛇口や部品が合わず設置できない
- 金具の締めの緩さのせいで水漏れが発生する
- 温度調整や一時止水など、本来なら使えるはずの機能が無効になっている
特に蛇口や部品が自宅の風呂に合わないで、結局無駄になるという失敗例はよく起こります。その他必要以上に作業に時間がかかりすぎることなども含め、お風呂の蛇口交換を自分で作業するのはリスクが大きいと言えるでしょう。
ある程度の熟練者やDIYを趣味にしている方でなければ、業者への依頼を最優先に考えるのがおすすめです。
お風呂の蛇口を交換すべきタイミング
お風呂の蛇口を交換すべきなのは、以下のようなタイミングです。
- ポタポタと水漏れしている
- より機能的な蛇口が欲しいと感じている
- 耐用年数を超えている
- 汚れが目立つ
それぞれ詳しく解説します。
ポタポタと水漏れしている
蛇口からポタポタと水漏れが起きている場合は、蛇口交換のタイミングです。ポタポタと水が垂れてきている場合は、蛇口内部のパッキン、カートリッジといった部品が劣化して機能が落ちているのかもしれません。
そのまま放置しているとさらに水漏れが拡大する可能性もあるので、早めの対策が必要になります。
まずは劣化している部品を交換しましょう。しかしピンポイントで交換したい部位の部品がなかったり、部品の組み合わせが合わずに別の不具合を生じさせたりする可能性もあります。
その場合は、部品単位ではなく蛇口全体の交換も検討しましょう。
より機能的な蛇口が欲しいと感じている
蛇口を少しグレードアップして、浄水機能、ホース引き出し機能、サーモスタット機能、ハンズフリー機能、レバー操作機能などを欲しいと感じている場合も、蛇口を交換すべきタイミングです。
簡単な浄水機能だけであれば部品の追加取り付けだけでも対応できますが、その他の機能拡張は基本的に部品を追加するだけでは不十分です。蛇口に新たな機能を搭載したい時は、蛇口そのものを交換する必要があります。
耐用年数を超えている
蛇口の耐用年数は約10年、最大で15年程度と言われています。耐用年数を超えると水漏れなどの不具合が生じる可能性も大きくなるため、交換すべきタイミングと言えます。
特に不具合が起きていない場合であっても、発売から10年以上が経過した段階だと、メーカーが修理用部品の販売を終売している可能性もあります。つまり、いざ壊れてしまった時に交換するための部品が手に入らなくなるということです。
また蛇口の耐用年数を超えていると、一部修理を施しても、すぐに別の不具合が起きることが多くなります。長い目で見てお風呂を安心して使えるようにするためにも、耐用年数を超えたタイミングで蛇口交換をするのがおすすめです。
汚れが目立つ
蛇口本体や蛇口から出てくる水に汚れが目立つ時も、蛇口を交換すべきタイミングと言えます。蛇口本体だけなら、掃除することで綺麗になり問題はないかもしれません。
しかし流れてくる水に汚れがある場合、蛇口の中が汚れている可能性も考えられます。
汚れが目立つ水をお風呂で使うのは衛生的にも悪いので、早めの交換を検討しましょう。
お風呂の蛇口を交換したいときに確認したいこと
お風呂の蛇口を交換する際は、以下のような事項をしっかりと確認しておく必要があります。
大項目 | 中項目 |
取り付けタイプ | ・壁付タイプ ・台付き(デッキ)タイプ |
蛇口の用途 | ・洗い場専用 ・浴槽専用 ・洗い場と浴槽兼用 |
蛇口の操作タイプ | ・サーモスタットタイプ ・2ハンドルタイプ ・シングルレバータイプ |
それぞれの注意点を詳しく解説します。
取り付けタイプをチェックする
最初に確認すべきなのは蛇口の取り付けタイプです。お風呂の蛇口の取り付けタイプは以下の2種類があります。
- 壁付きタイプ
- 台付き(デッキ)タイプ
取り付けタイプによって、交換できる蛇口の種類や交換方法などが決まります。まずは自宅のお風呂の蛇口がどちらのタイプなのか確認しましょう。
壁付きタイプ
壁付きタイプの蛇口は、壁面に直接取り付けられています。また同じ壁付きタイプの蛇口でも、シャワーありのものも、シャワーなしのものもあります。
シャワーありだと浴槽にお湯を張るだけではなく、洗い場でも使えます。一方でシャワーなしだと、浴槽にお湯を張る用途でのみ利用可能です。
現在の主流はシャワーありですが、自宅でどちらのタイプが搭載されているのかしっかりと確認しましょう。
台付き(デッキ)タイプ
台付き(デッキ)タイプとは、お風呂の浴槽のふちに台座ごと蛇口が取り付けられているタイプです。また洗い場のカウンターの上に取り付けられていることもあります。
洗い場のカウンター上に蛇口が取り付けられている場合、浴槽側に蛇口がなく、別途給湯器などが設置されていることもあるでしょう。
台付き(デッキ)タイプの蛇口だと、シャワーがついているのが一般的です。
蛇口の用途を決めて設置形態を考える
お風呂の蛇口には以下3つのパターンの用途があります。
- 洗い場専用
- 浴槽専用
- 洗い場・浴槽兼用
用途パターンによっても交換方法や交換部品が異なるので、しっかりと確認しておくことが重要です。
洗い場専用
洗い場専用の蛇口は、洗顔や洗髪、体を洗う際などだけに使います。蛇口パイプが固定されている、もしくは限られた範囲内でしか動かせないのが特徴です。
洗い場専用の蛇口は、基本的に壁付きタイプとなります。
浴槽専用
浴槽専用の蛇口は、浴槽にお湯を溜めるのが主目的で設置されています。洗い場専用の蛇口と同様に、蛇口パイプが固定されている、もしくは蛇口パイプを限られた範囲内でしか動かせないのが大きな特徴です。
浴槽専用の蛇口は主に壁付タイプですが、台付き(デッキ)タイプのものもあります。
洗い場・浴槽兼用
洗い場・浴槽兼用の蛇口は、名前の通り洗い場でも浴槽でも使えるタイプです。蛇口パイプを左右に動かすことで、使用場所を洗い場と浴槽にそれぞれ切り替えられます。
洗い場・浴槽兼用タイプの蛇口は、壁付タイプも台付き(デッキ)タイプもそれぞれあります。
蛇口の操作タイプを選択する
風呂の蛇口を交換する際は、蛇口の操作タイプもチェックしておきましょう。具体的には以下3つのタイプがあります。
- サーモスタットタイプ
- 2ハンドルタイプ
- シングルレバータイプ
それぞれの操作タイプの特徴を紹介します。
サーモスタットタイプ
サーモスタットタイプとは、自動的に水とお湯の温度を調整できる機能がある蛇口のことです。レバーを回すと温度を調整でき、丸印がある温度で水やお湯の出し分けを行います。
万が一水圧や給湯温度が大きく変化しても、自動温度調節機能のおかげで、水温が急激に変化することはありません。
なおうまく温度調整ができていない場合などは、故障の可能性が考えられます。その場合は、蛇口そのものの交換は不要で、温度調整ユニット部分の交換をすればOKです。
2ハンドルタイプ
2ハンドルタイプとは、給水用と給湯用のハンドルがそれぞれ別になっているタイプの蛇口です。一般的には給水部のハンドルは水色、給湯部のハンドルは赤色のラベルが貼られています。
サーモスタットタイプとは違って数値を指定しての温度調整はできないものの、双方のハンドルを同時に回すことによる温度調整は可能です。
なお、2ハンドルタイプの蛇口には「一時止水機能」が搭載されている場合もあります。一時止水機能があると、ハンドルを緩めた状態でも水やお湯を止めることができるため便利です。
シングルレバータイプ
シングルレバータイプの蛇口は、1つのレバーで水量と水温を調整できるタイプです。レバーハンドルを上下に動かせば水量の調整が、左右に動かせば水温の調整ができます。
従前は2ハンドルタイプが主流でしたが、そのデメリットを解消するタイプとして、シングルレバータイプが広く普及するようになりました。
しかし、丈夫さに欠ける、水量が出にくいなどのデメリットもあります。
【取り付けタイプ別】自分で蛇口を取り付ける方法
ここからは実際に、自分で風呂の蛇口を取り付ける(交換する)際の手順を解説します。壁付タイプ、台付き(デッキ)タイプで、それぞれ手順を紹介しています。
どちらのタイプの蛇口を交換する場合でも、以下の工具は手元に準備しておく必要があります。
- シールテープ
- モンキーレンチ
- プラスドライバー
- マイナスドライバー
壁付きタイプの交換手順
壁付タイプの蛇口を交換する場合、まずは止水栓を閉めておきます。
これは交換作業中に水の流れをストップさせるためです。止水栓を閉め忘れていると、作業中に水浸しになるリスクもあります。もしくは水道メーターの元栓を閉めるのでもOKです。
続いてレンチを使い、水栓を取り付けているナットを外します。ナットは原則として左右に付いているので、それぞれゆっくりと外しましょう。
ナットが完全に外れたら、そのまま水栓をクランクから取り外します。クランクを外す際は工具不要です。
続いて新しい蛇口のクランクを用意します。このクランクに、シールテープを5~10周分巻いてください。テープを巻く方向は時計回りです。反時計回りに巻くと、水漏れ防止としての機能を果たさなくなります。
そして新しいクランクを配管に取り付けます。なるべく左右両側のクランクを同時に取り付けるのがおすすめです。徐々に回せなくなるところまでクランクを押し込みましょう。左右のクランクはお湯側を若干高めにした「へ」の字形にしておくと、次の蛇口の設置をスムーズにできます。
そして実際に蛇口をクランクに当てて取り付けます。後は本体が固定されるまで、ナットを回すだけです。
一連の交換手順が完了したら、止水栓や元栓を開放して水を流してみます。特に水漏れなどなく、蛇口から水やお湯が出てくれば作業完了です。
台付き(デッキ)タイプの交換手順
台付き(デッキ)タイプの蛇口を交換する場合も、まずは止水栓や水道の元栓を閉めましょう。
そして既に設置されている古い蛇口を撤去します。基本的に蛇口の下あたりに点検口があるはずなので、プラスドライバーを使って取り外してください。
もし点検口がなかったり、点検口を外せなかったりする場合は、自分で作業はできません。そのため業者に交換の依頼をしましょう。
続いてレンチを活用し、給水・給湯配管にあるホースを取り外します。次に蛇口の下側にある金具を緩めましょう。金具を外せれば、上側の蛇口も取り外し可能です。
この段階で一旦蛇口が置かれていた部分を清掃します。普段掃除できない箇所なので、水アカを中心にかなり汚れているかもしれません。なかなか掃除できるチャンスは少ないので、入念に手入れしましょう。
台座部分が綺麗になったら、新しい蛇口本体を取付穴に差し込み設置します。次に点検口から金具を締めて固定し、ホースを取り付けてください。基本的にはホースも新調するのがおすすめですが、劣化がひどくない場合などは既存のホースをそのまま使うのも良いでしょう。
以上で台付き(デッキ)タイプの蛇口交換は完了です。後は止水栓や水道の元栓を緩めて実際に水を流してみます。水漏れなどなく、スムーズに水やお湯が蛇口から流れてくれば、交換成功と判断してOKです。
自分で蛇口を取り付けるときに気をつけること
風呂の蛇口の交換は自分自身でもできますが、ある程度スキルや知識がないとできません。初心者が交換しようとすると、思わぬ事故やトラブルが起こる可能性もあります。
特に以下のような点には気を付けつつ、蛇口交換の作業を行うようにしましょう。
- 設置場所にあった蛇口を選択する
- 水漏れしないように丁寧に取り付ける
それぞれ詳しく解説します。
設置場所にあった蛇口を選択する
前述の通り、風呂の蛇口には様々なタイプがあります。そして蛇口のタイプごとに、適切なサイズ、必要な部品などが異なります。同じタイプであっても、必ず交換できる(=適している)とは限りません。
万が一自宅の風呂の蛇口タイプに合わない蛇口や部品を用意した場合、うまく作業を進められなくなります。自分で交換作業をする場合、きちんと下調べをしておかないと、用意した部品が無駄になるかもしれません。
水漏れしないように丁寧に取り付ける
蛇口は適切に設置しないと、水漏れのリスクがあります。集合住宅に住んでいる場合には、階下に漏水を起こし他の住人も巻き込んだ面倒なトラブルにも発展しかねません。
例えば少し金具の締めが緩い、クランクがぴったりハマっていないなどの場合には、水漏れを起こす可能性があります。せっかく自分で取り付けても、水漏れがあれば再びやり直さなければいけません。
トータルでかかる時間やコスト、リスク排除も考慮すると、自分で作業するよりも業者に依頼する方が得策と言えます。
自分での蛇口交換が難しい場合には業者に依頼することもできる
風呂の蛇口交換は自分自身で作業ができるものの、難易度は低くありません。ある程度は知識やスキルが求められます。また作業だけではなく事前の蛇口や部品の調達を自分自身でしなければならない点も、ややハードルが高いと言えるでしょう。
自分でうまく蛇口交換できるか自信がない場合には、専門業者に依頼するのもおすすめです。業者に依頼する場合は費用が発生するというデメリットはあります。
しかしそれ以上にデメリットを補って余りあるだけのメリットもあります。業者を利用する主なメリットは下記の通りです。
- タイプに合わせて最適な蛇口、部品を使ってくれる
- 水漏れなどの心配がない正確な設置作業をしてくれる
- 作業スピードが速い
DIYが得意、本業でも蛇口交換の仕事をしているなどの事情がなければ、業者に頼んだ方が安心です。
水道屋本舗では、お風呂に関するトラブルも柔軟に対応することができます。もしも蛇口交換をしたいと考えているけれど、やり方が分からない、業者に任せたいという方はぜひ一度お問い合わせください。
専門の知識を持ったスタッフがご自宅にお伺いし、お客様のお悩みに寄り添った、適切な対応を行います。
まとめ:お風呂の蛇口を交換して快適なバスルームを作ろう
今回の記事では、お風呂の蛇口の交換について解説しました。
お風呂の蛇口は故障や耐用年数の超過、汚れの発生などのタイミングで交換を検討しましょう。新しい蛇口に交換すると、バスルームも快適になります。
蛇口の交換方法は自分で作業するか、業者に依頼するかの2択です。自分で作業することもできますが、正確性やスピード感、後々のトラブル防止などを考慮すれば業者に依頼する方が安心でしょう。
業者に頼むともちろん、お金がかかるのはデメリットですが、受けられるメリットの大きさも考慮すると依頼する価値も十分にあると言えます。